ペルソナを作った。ベネフィットも決めた。「よし、書くぞ」とパソコンの前に座った。
でも、手が止まる。
「何から書けばいい?」
「まず結論? それとも背景から?」
「情報はあるのに、どこに何を置けばいいかわからない」
心当たりがあるなら、この記事はあなたのために書きました。
「AI×文章術」シリーズ全3回の第2回です。今回は「どんな順番で伝えるか」を解説します。
読者の感情を動かす「型」があります。この型を知れば、初心者でも最後まで読まれる記事が書けるようになります。
※ペルソナやベネフィットって何?という方は、シリーズ第1回「だれに届けるか」の記事を先に読むと、今回の内容がよりスムーズに理解できます。
この記事で出てくる用語
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PASONAの法則(パソナのほうそく)
→ マーケティングの専門家・神田昌典氏が提唱した、文章の構成テンプレートです。「問題提起→共感→解決策→提案→絞り込み→行動」の6ステップで読者を導きます。料理でいうレシピのようなもので、この順番に沿って書くだけで、読者が自然と最後まで読み進める文章になります。
ペルソナ
→ 記事を届けたい「たった一人の人物像」のことです。名前、年齢、職業、悩みまで具体的に設定します。「この記事をだれに読んでほしいか」を一人の人として想像する、ということです。
ベネフィット
→ 読者がその記事を読んだ後に手に入れる「理想の未来」のことです。「SEOの知識が身につく」はメリット。「検索から毎月お客さんが来るようになる」がベネフィットです。
構成(こうせい)
→ 記事の「骨組み」のことです。家を建てるときの設計図に当たります。どんな順番で、どんな話をするか。この骨組みがしっかりしていないと、いくら良い情報を詰め込んでも読者に伝わりません。
リード文
→ 記事の冒頭にある導入文のことです。読者が「この記事を読むかどうか」を判断する最初の数行です。ここで心をつかめないと、本文がどんなに良くても読んでもらえません。
「情報はあるのに伝わらない」の正体
あなたの記事に書いてある情報は、たぶん間違っていません。
問題は「情報の中身」ではなく「伝える順番」にあります。
材料が揃っても、料理にはならない
たとえば、目の前に新鮮な肉、野菜、調味料が並んでいるとします。
材料は揃っています。
でも「どの順番で、何分焼いて、いつ調味料を入れるか」がわからなければ、おいしい料理にはなりません。
記事も同じです。
「伝えたい情報」が揃っていても、「伝える順番」を間違えると読者に届きません。
よくあるパターンはこうです。
いきなり専門知識から入る。
読者はまだ「自分に関係ある話だ」と思っていないので、3行で離脱します。
逆に、前置きが長すぎる。
「で、結局何が言いたいの?」と読者はイライラして離脱します。
どちらも原因は同じです。
「伝える順番」が設計されていないんです。
読者は「感情」で読み進める
もう一つ、大事なことがあります。
読者は「論理」で記事を読んでいるように見えて、「感情」で読み進めています。
「この悩み、わかる」と共感したから次を読む。
「え、そんな方法があるの?」と興味を持ったから次を読む。
「自分にもできそう」と希望を感じたから最後まで読む。
つまり、記事の構成とは「読者の感情を、どの順番で動かすか」の設計図です。
この設計図として、プロのコピーライターが何十年も使い続けている「型」があります。
PASONAの法則。読者の心を動かす6ステップ
flowchart LR
P["<b>P<br/>Problem<br/>問題提起</b>"] --> A1["<b>A<br/>Affinity<br/>共感</b>"]
A1 --> S["<b>S<br/>Solution<br/>解決策</b>"]
S --> O["<b>O<br/>Offer<br/>提案</b>"]
O --> N["<b>N<br/>Narrow down<br/>絞り込み</b>"]
N --> A2["<b>A<br/>Action<br/>行動</b>"]PASONAの法則は、神田昌典氏が提唱した文章構成のフレームワークです。1999年に最初の版が生まれ、2016年に現在の6ステップ版(「新PASONAの法則」)に改良されました。
もともとはセールスレターやダイレクトメールのために作られ、現在ではLP(ランディングページ)にも広く使われています。
でもこの「型」は、ブログ記事にもそのまま使えます。
なぜなら、ブログ記事もセールスレターも、目的は同じだからです。
「読者の感情を動かして、行動してもらう」
6つのステップを順番に見ていきましょう。
P(Problem)問題提起 「あなたの悩み、わかります」
最初に、読者の「痛み」を言語化します。
ここで大事なのは、社会的な問題ではなく「個人的な痛み」にフォーカスすることです。
「AI時代のコンテンツ制作は変革期を迎えています」
こう書いても、読者の心は動きません。他人事だからです。
「AIで30記事書いたのに、アクセスがほぼゼロ。何が間違っているのかもわからない」
こう書くと、同じ悩みを持つ読者は「まさに自分のことだ」と感じます。
ペルソナを作っていれば、その「悩み」「課題」がそのままProblem(問題提起)になります。
ポイント: ペルソナが夜寝る前に考えていること。それがProblemです。
A(Affinity)共感 「僕も同じでした」
問題を提示したら、すぐに解決策を出したくなります。
でも、ここで一呼吸おいてください。
読者はまだ「この人の話を聞こう」と思っていません。
人は論理より先に「好き嫌い」で判断します。
「この人、信頼できそう」と感じて初めて、次の話を聞く準備ができます。
だから、解決策の前に「共感」を入れます。
「僕も最初の頃、情報を詰め込んだだけの記事を量産していました。SEOの教科書みたいな記事。アクセスは月に50。もう何を直せばいいかもわからなかった。」
こういう体験談や失敗談が、読者との信頼の橋を架けます。
売り手ではなく「同じ壁を乗り越えた先輩」として語る。これがAffinity(共感)の役割です。
「あなたの気持ち、わかりますよ」と読者に寄り添うステップです。
S(Solution)解決策 「こうすれば解決できます」
共感で読者の心を開いたら、ここで解決策を提示します。
ただし、いきなり具体的なやり方を細かく説明しない。
まず「解決のアプローチ」を示します。
「記事を書く順番には『型』があります。プロのコピーライターが使っている、読者の感情を自然に動かす6つのステップです」
読者に「そんな方法があるんだ」「知りたい」と思ってもらうのがSolutionの役割です。
この段階では「方法の全体像」を見せるだけで大丈夫です。
コツ: 「たった6ステップで」「テンプレートに当てはめるだけで」のように、ハードルを下げる言葉を添えると、読者は「自分にもできそう」と感じます。
O(Offer)提案 「具体的にはこうです」
Solutionで全体像を見せたら、Offerで具体的な中身を提示します。
ブログ記事の場合、Offerは「実際のやり方」「テンプレート」「具体例」です。
たとえばこんな内容が入ります。
- 各ステップで何を書くかの具体的な説明
- 実際の記事構成の例
- コピペできるテンプレート
セールスレターでは「商品の提案」がOfferですが、ブログ記事では「読者が持ち帰れる具体的な価値」がOfferです。
N(Narrow down)絞り込み 「こんな人にこそ使ってほしい」
「この方法は全員に効きます」と書くと、逆に誰にも刺さりません。
「まだ1本も記事を公開していないなら、まずは1本書いてみてください」
「でも、5本以上書いて『なぜか読まれない』と感じている人。あなたにこそ、この型が必要です」
こうやって対象を絞ると、当てはまる読者は「自分のことだ」と強く感じます。
絞り込みは「排除」ではありません。
「あなたのために書きました」というメッセージを強めるための技術です。
A(Action)行動。「まずこれをやってみてください」
最後に、読者が「次に取るべき行動」を1つだけ示します。
「次の記事を書く前に、今日学んだ6ステップで構成案を1つだけ作ってみてください」
ここでのポイントは「1つだけ」です。
選択肢が多いと人は動けなくなります。
「3つの方法を試してみてください」より「まずこれだけやってください」のほうが、行動する人は圧倒的に多い。
具体的で、今すぐできて、ハードルが低い。この3つが揃ったActionが理想です。

PASONAで実際に記事の骨組みを作ってみる
法則を知っただけでは使えません。実際に、PASONAをブログ記事のH2/H3構成に落とし込んでみましょう。
ここでは例として「山本さん(38歳・メーカー事務職・AIで副業ブログを始めたが3ヶ月で成果が出ない)」というペルソナを使います。
「AIブログで最初の1,000PVを達成する方法」という記事の構成を作ってみます。
ステップ1: ペルソナの「痛み」を書き出す
まず、山本さんの痛みをリストアップします。
- 3ヶ月で30記事書いたのにPV500以下
- 「やり方が間違っている」と感じている
- 夜の副業時間が苦痛になりつつある
- 周りに相談できる人がいない
この中から、記事のProblem(冒頭)に使う「一番リアルな痛み」を選びます。
「3ヶ月で30記事書いたのに、月間PVが500以下」
これが最もリアルで、同じ悩みの人が多そうです。
ステップ2: 6ステップに当てはめる
次に、PASONAの6ステップに記事の骨組みを当てはめます。
- P(問題提起)→ リード文
-
「3ヶ月で30記事。でもPVは500以下。何が間違っているかもわからない」
- A(共感)→ H2-1の導入部分
-
「3ヶ月で30記事。でもPVは500以下。何が間違っているかもわからない」
- S(解決策の方向性)→ H2-1の本文
-
「記事の量ではなく『読者が検索するキーワードとの一致度』が問題でした」
- O(具体的な方法)→ H2-2, H2-3
-
「キーワード選定の具体的な手順」「1記事で1,000PVを狙うためのテンプレート」
- N(絞り込み)→ H2-3の後半
-
「すでに10記事以上書いているのに成果が出ない人に、特に効く方法です」
- A(行動)→ まとめ
-
「次の1記事は、この手順でキーワードを選んでから書いてみてください」
ステップ3: AIに構成を作らせる
ここまでの流れを、AIに手伝ってもらうこともできます。
以下のプロンプトをAIに投げてみてください。
以下のPASONAの法則に沿って、ブログ記事の構成案を作ってください。
【ペルソナ】
(あなたが設定したペルソナ情報を貼り付ける)
【テーマ】
(記事のテーマを入れる)
【PASONAの6ステップ】
P(問題提起): ペルソナの最もリアルな痛みから入る
A(共感): 同じ壁を乗り越えた先輩として体験を語る
S(解決策): 解決のアプローチを全体像で示す
O(提案): 具体的な手順・テンプレートを提示する
N(絞り込み): この記事が特に誰に効くかを明示する
A(行動): 読者が今すぐできる1つの行動を示す
【出力形式】
H2見出し4〜5個、各H2にH3を2〜3個。各見出しに「この部分の役割(PASONA6ステップのどれか)」を注記してください。ペルソナとテーマを差し替えれば、どんな記事でも使えます。
出てきた構成案はあくまで「たたき台」です。
読んでみて「この順番はちょっと違うな」と感じたら、自分で並べ替えてください。
「AIが作った構成を、自分の感覚で調整する」
この作業が、記事にあなたらしさを加えるポイントです。

PASONAだけじゃない。目的別の使い分け
PASONAは強力な型ですが、すべての記事に使うわけではありません。
記事の「目的」によって、最適な型は変わります。
3つの型を覚えれば十分
初心者がまず覚えるべき型は3つです。
「この商品を試してみて」「このやり方をやってみて」のように、読者に何かアクションを起こしてほしい記事に最適です。今回学んだ6ステップの型です。
「結論→理由→具体例→結論」の4ステップ。
「〇〇とは何か」「〇〇の違いは」のような、知識を整理して伝える記事に向いています。
たとえば「おすすめのAIライティングツール」を紹介するなら、こうなります。
「AIライティングツールはClaudeがおすすめです(結論)。なぜなら日本語の自然さが群を抜いているからです(理由)。同じプロンプトでChatGPTとClaudeに記事を書かせて比較すると、Claudeの方が自然な日本語で出力されます(具体例)。日本語ブログを書くなら、まずClaudeを試してみてください(結論の繰り返し)」
「要約→詳細→要約」の3ステップ。ニュース記事やSNS投稿のように、短い文章で要点を伝える場面で使います。
たとえば「Googleのアップデート情報」を伝えるなら、こうなります。
「2026年3月、Googleが検索アルゴリズムの大型アップデートを実施しました(要約)。今回の変更では、AIで大量生成された低品質な記事の評価が大幅に下がり、実体験に基づくオリジナルコンテンツの評価が上がっています。影響を受けたサイトではアクセスが最大71%減少した一方、独自性のあるサイトは22%増加しました(詳細)。今後は記事の量より質、特に書き手の経験や視点が重要になります(要約)」
使い分けはシンプル
「読者に行動させたい?」と自分に問いかけてみてください。
「はい」ならPASONA。「いいえ、情報を届けたいだけ」ならPREP。短く伝えたいならSDS。
迷ったらPASONAです。
なぜなら、ブログ記事には必ず「次の行動」があるからです。「関連記事を読む」「ツールを試す」「メルマガに登録する」。読者を次のステップに導く意図があるなら、PASONAの構造が活きます。
flowchart TD
Q["記事の目的は?"] --> Q2{"読者に行動してほしい?"}
Q2 -->|"はい"| PASONA["PASONA 問題→共感→解決策→提案→絞込→行動"]
Q2 -->|"いいえ"| Q3{"短く伝えたい?"}
Q3 -->|"はい"| SDS["SDS 要約→詳細→要約"]
Q3 -->|"いいえ"| PREP["PREP 結論→理由→具体例→結論"]構成を作るときに意識する3つのこと
PASONAの6ステップがわかったら、実際に構成を組み立てるときに意識してほしいことが3つあります。
読者の「感情の流れ」を意識する
PASONAの6ステップには、読者の感情が自然に変化する流れが設計されています。
- Problem → 「あ、自分のことだ」(不安・共感)
- Affinity → 「この人もそうだったんだ」(安心・信頼)
- Solution → 「そんな方法があるんだ」(期待・好奇心)
- Offer → 「なるほど、具体的にはこうやるのか」(理解・納得)
- Narrow down → 「これは自分向けの記事だ」(確信)
- Action → 「よし、やってみよう」(行動意欲)
この感情の流れに逆らわないことが大切です。
たとえば、Problemの直後にOfferを持ってくると「まだ信頼してないのに具体的な話をされても」と読者は引いてしまいます。
共感があるから信頼が生まれる。信頼があるから解決策を受け入れる。この順番には意味があるんです。
「見出し」だけで記事の内容がわかるようにする
読者の多くは、記事を最初から最後まで順番に読みません。
まずスクロールして見出しを眺めます。
「自分に関係ありそうだ」と思った見出しから読み始めます。
だから、H2見出しだけを並べたときに「この記事は何について書いてあるか」がわかる必要があります。
悪い見出し例:
- はじめに
- 概要
- 詳しく解説
- まとめ
これでは何の記事かわかりません。
良い見出し例:
- AIで30記事書いても読まれない本当の理由
- 読者の心を動かす6ステップ「PASONAの法則」
- PASONAで実際にブログの構成を作ってみる
- まとめ。次の1記事から、型を使ってみよう
見出しだけで内容が伝わり、読む順番も自然です。
「まとめ」は繰り返しではなく「次の一歩」
記事の最後にある「まとめ」を、本文の繰り返しにしている記事がとても多いです。
でも、読者は繰り返しを求めていません。
読者がまとめに求めているのは「で、結局自分は何をすればいいの?」の答えです。
PASONAの最後のA(Action)がまさにこれです。
「次の記事を書く前に、PASONAの6ステップで構成案を1つ作ってみてください。」
具体的で、今すぐできて、ハードルが低い。これが読者を動かすまとめです。

まとめ。次の1記事は「型」から始めよう
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
今回は「どんな順番で伝えるか」の型として、PASONAの法則を解説しました。
ポイントをまとめます。
- 記事は「情報の量」ではなく「伝える順番」で伝わるかどうかが決まる
- PASONAの法則は「問題→共感→解決策→提案→絞り込み→行動」の6ステップ
- この順番は、読者の感情を「不安→安心→期待→納得→確信→行動」と自然に動かす設計になっている
- ブログ記事のH2/H3構成にそのまま当てはめられる
- AIに構成を作らせるときも、PASONAの6ステップをプロンプトに含めるだけで出力が格段に良くなる
- 「行動させたい記事」にはPASONA、「情報を伝えたい記事」にはPREP、「短く伝えたい」ならSDS
次の記事を書くとき、いきなり本文を書き始めないでください。
まず、PASONAの6ステップで構成案を作る。たった15分の作業です。
これだけで、書きながら迷うことが激減します。
「ペルソナは作った。構成も型がある。じゃあ、実際にどんな言葉を選べば読者の心に刺さるの?」
その答えは、シリーズ最終回の第3回でお伝えします。
「売れる言葉」と「売れない言葉」の違い。知ったら、もう元には戻れません。

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